◆地熱住宅のはじまり

地熱住宅のはじまりは「アイヌの伝統的民家チセ」が利用していたものです。玉川住宅総合研究所の主任研究員である宇佐美さんは旭川郷土博物館の依頼を受け「チセ住宅の温熱環境を解明」することに10年を費やしたそうです。その結果、地下5mあたりの温度は、タイムラグで夏冬が逆転している」事を発見しました。「地熱利用」とは、夏の熱(冬の冷熱)を冬(夏)まで持ち越すことです。アイヌ・チセと日本住文化の知恵がひとつになり、全く新しい「地熱利用住宅」が完成したのです。不快である「夏の暑さ」と「冬の寒さ」をそれぞれ半年先に利用すれば、「冬の温かさ」「夏の涼しさ」として甦る快適住宅になります。アイヌの知恵は「地熱利用」だけではなく、「風除室」「外断熱」「輻射暖房」として利用しています。さらに「重ね着の窓」「完全外断熱」を取り入れることにより、エコシステムの長持ちする住宅として誕生したのです。


夏のチセ

冬のチセ
冬季-30℃にもなる北海道でも自然のエネルギーで
生活可能であった。

上記の写真の通り、アイヌのチセ住宅は、冬は雪によって天然の外断熱、夏は笹の葉が乾いて反り返るので自然に風邪通しがよくなっていたそうです。エコロジー・エコノミーの両方から究極のエコハウスといえます。

◆地中温度の年間月別平均温度の変動(銚子気象台
地中熱とは夏の熱・冬の冷熱が地中に伝わったものです、これは「土の蓄積量が大きい」ために地中深くに熱が届くのが遅れるからです。洞窟や井戸水が冬に暖かく、夏に冷たいのもこのためです。




※データー・写真・グラフ提供 玉川住宅総合研究所(玉川建設)